『癒杏は雪兎様のこと、本当は好きなんじゃないのかなーって』



朝聞いた怜奈の言葉が、私の頭の中でリピートされる。



「私は…」


…はっ。



足をとめ、一点を見つめるようにぐっと目を凝らした。



向こうから走ってくる人物。




それは……………




「雪…兎……?」



こっちに向って走ってくる雪兎。



その姿に、私はドキッとする。