「あんたに雪兎のなにがわかんの…?」



『癒杏!』と呼ぶときの雪兎のまぶしい笑顔。



悲しい瞳をした雪兎…。



すべてが私の頭の中に浮かんでぐるぐると渦巻く。




「雪兎はそんな軽々しい奴じゃない!!

崎田に雪兎のことを語ってほしくない!なにもわからないくせに!

えらそうなこといわないでっっ!!」



私はそういっきに言って、崎田を思いっきり睨みつけたあと、走って逃げた。



「雪兎…」



そう何度も呟きながら走った。



何だろう…このモヤモヤとした感覚。


胸の奥になにかつまっているみたい…。