私は何も考えずに、ただ夢中で空港まで走った。



雪兎…お願い、あと少し…あともう少しだけ待って…。



薄れていく意識の中、雪兎の言葉が何度も繰り返し思い出される。


『もう会わねえよ』


『なんでここにいるんだよ』


『どっか行けよ』



冷たい言葉…。
冷たい声…。
冷たい目…。
冷たい表情…。


思い出すだけで、胸が締め付けられる。



…目の前に白い大きな建物が見えた。



あれは…空港だ。



やっと…やっと着いた…。