『…何言ってるのよ。そんなわけないでしょ?

…私ね、雪兎のこと心から好きだったの。だから日本に一緒についてきたのよ。でも雪兎、日本に着いた途端に表情変えて…私にこう言ったのよ…』



沙紀さんは長々と話したあと、いったん途切れさせて、重い空気を作った。



そしてまた…静かに口を開いた。



『“もう俺に関わるな。”だって。すごく驚いたわ。

あんなに仲良く接してくれてた雪兎が、突然あんなこと言うんだもの。

余程日本に気になる女の子がいたのね。一回小さい頃にその子の名前を教えてもらったことがあるわ』



「え…?名前…?誰…?」



雪兎、日本に気になる子がいたの…?



いきなり不安に襲われる。