卒業生は並ぶように、というアナウンスが流れ皆が廊下に並び始めた。


「結佳〜、もう泣きそう〜」


「歩、ホント涙もろいね…」


泣きそうな顔で抱き着いてきた歩の頭を撫でながら、周りを見ると女子は大体涙ぐんでいた。


「うわ、もう泣いてんのかよ!化粧崩れるだろ、あぁ、悲惨だな〜。」


哀れだといった面持ちで担任が立っていた。


「…………」


あれ?いつもは突っ掛かる歩が突っ掛からない。そう思っていると、担任は困った様な顔になり、歩の頭を軽く撫でると列の先頭へと離れて行った。