『いや、君の高校生、最後の姿を見に行こうかと…』


「…来ない方がいいと思います。」


『来てほしくないです。の間違いじゃない?』


「…そういうわけではないです。」


『じゃ、行かせてもらいます!』


「…………」


『怒ってますね?』


「怒ってません。」




きっと、部長さんは仕事中だろうと思いながら、学校から駅前までの10分くらい、ずっと電話をしてた。


結局明日は、商談が入ったということで、卒業式には来ないことになった。