銀色に光った輪が自分の手首を締め付けている。
右手首も
左手首も
両足首も。
寝かせつけられているベッドは、ベッドという機能を果たしていない
薄めの板が敷かれているだけで、動くたびにギシギシと音を立てる。
そして、所々に釘が刺さっていて飛び出している。
そしてこの部屋。
唯一自由な首だけ動かして部屋を見渡す。
天井の低い部屋の上のほうに、小さな窓。
そこから一直線に伸びる光の筋が、部屋の中を微かに照らし続けていた。
恐らく、夜は真っ暗になっているだろう。
部屋の一つの角置かれている棚には、自分の手荷物が置いてあった。
「貫次・・・・・・ごめん・・・・・・・すぐそこまできてたのにね・・・」
風の通らない部屋から、微かな風が頬を触れる感触がした。