チャイムが鳴り、
 教師が答案用紙を返却し、
 回答についてのフォローを入れる、
 というのを4回繰り返すと、昼休みになった。

「アオイちゃん、どうだった?」
 アサギは弁当箱のアスパラを突っつきながら俺に問う。

「まあまあ。いつもどおりかな」
 俺は、醤油オニギリをほおばりつつ、答えた。

「アサギも悪くはないんだろ?」
「まあ、そうなんだけど…」
 アサギの顔色はまだすぐれない。
 そしてまだ、アスパラを突っついている。
 早く食ってやれ。

 アサギは昔から色々うっかりしている。

 今回だって、かなり気合い入れて勉強してただろうに、肝心な本番のテストでつまらないミスをいくつかし、それが積もり積もってかなりのマイナスになっているのだ。