「涼!聞いて!駅でかっこいい人見つけた。」

実架子は嬉しそうに図書室にいた涼に駆け寄る。

「また一目惚れ?」

涼は呆れ気味に対応。

「大丈夫、今度は顔はもちろん性格も良さそうなパーフェクトイケメンよ。」

実架子が語る。

「一目惚れでそこまでわかるの!?」

涼は惚れっぽい実架子の根拠のない分析を信じていない。

「スーツの似合う大人!私の落としたハンカチを拾ってくれた優しい人なの。」

実架子が目をキラキラさせて話すので、涼は何も言えなかった。

いつも通り、見守ることにした。

いつの間にかやって来て向かいに座っていた愛と優一朗は涼と目が合うと、二人して黙って頷いたのだった。