「どっ…、どうした!巧!」

次の日の朝、美術部の部室にやってきた巧をみて俊也が驚く。

「どうもしてないけど?」

巧は冷静に答える。

「どうしたんだよ、その頭!昨日までぼっさぼさの荒れ放題がカッ…カリスマ美容師の居る店にでも行ったのか?どんな心境の変化だよ!」

俊也は昨日まで自分の外見にいっさい興味を持たなかった巧の変身に、驚くばかりだった。

「カリスマ…、古くね?」

巧が一言。

「服装はいつもそんなにダサくなかったから、髪型をセットした今のお前は無敵だ!」

俊也が言う。

「何と戦うんだよっ!」

巧が突っ込む。

「合コンだ。巧、早速今日は合コンだ!」

俊也がはしゃぐ。

「行かないから。」

巧が言う。

「巧〜」

俊也が手を合わせて頼む。

「断る!」

「もったいないなぁ…」