「はい…、あの、人違いとかしてません?だったら、」

「大丈夫。君に渡すつもりだったから。」

巧が言う。

「そうですか…。」

涼が呟く。

「直接渡したかったんだけど、落としちゃってさ、三階の渡り廊下から。で、運良く拾ってくれたのが、涼ちゃん本人!」

巧が言う。

「だから上から…」

涼は一人納得する。

「追いかけたんだよ?でも…、見つかんなくてさ。」

「そうですか。」

「驚いたよね?」

「はい。」

「気味悪かったかなぁ?」

「ちょっと。…ごめんなさい。」

「正直だね。」

「こんな手紙、もらったことないからイタズラかと思って、新ちゃん疑っちゃいました。」

「新ちゃん?」

「人からかうの好きだから。」

「でも、いい人なんだよね。」

「そうなんです。」

二人で笑った。