「新ちゃん見〜つけたっ!」

美術部の部室に続く廊下で涼が新に声をかける。

「見つかった〜…って、かくれんぼしてたっけ?俺たち。」

新が笑いながら言う。

「かくれんぼなんかしてないよ!それより、これ!」

涼は手紙を取り出すと、新の顔に突き付ける。

「なに?…あぁ〜貰ったの?ラブレター。」

新は少し考えて、思い出したかのように言った。

「空から降ってきた。」

涼が言う。

「は?」

新は首を傾げる。

「新ちゃん、どうしてこれがラブレターだってわかったの?」

涼がたずねる。

「そりゃ〜…ラブレターくらいしかないだろ?」

新は少し焦って言う。

「このまえも怪しかったよね。」

涼が詰め寄る。

「なにが?…俺は何でもお見通しの…情報通だからね。」

新はなんとか誤魔化そうとしている。