「若いっていいよね〜」

学食でお昼を食べながら窓の外を眺める実架子が言う。

「一個しか違わないじゃん!」

涼が言う。

「一歳違えばもうおばさんよ…」

実架子がテーブルに肘をついて呟く。

「…別れたの!?彼氏と。」

涼がたずねる。

「短い春だったわ…」

実架子が遠い目をして答える。

「最短記録、一週間!」

優一朗が言う。

「年中春のあんた達が羨まし…、…くないわよ!」

本音が出かけて強がる実架子。

「愛ちゃんと優一朗君は仲いいもんねぇ。」

涼が言う。

「涼…、あんたは年中冬なんだから!ってかさ、春の経験もないんだから!信じらんない!枯れてるわ、いつまで冬眠する気?」

実架子が涼の肩をつかみ揺する。

「涼ちゃんに当たるなよ!」

優一朗が言う。