「でもさ、手紙は書いて涼ちゃんに渡ってるわけだし、そのままにはしないんじゃない?」

愛が言う。

「そうそう!返事欲しいでしょ。」

優一朗が言う。

「空から降ってきたんでしょ?その手紙。紛失したことになってんじゃない?その…小田切?って人にしたら。」

実架子が言う。

「なんだよ。さっきまで春が来たって喜んでたのに。」

優一朗は実架子の言動に納得がいかない。

「まぁまぁ…」

涼がなだめる。

「心配してんの!こっちは。みんなも知っててどんな人かもわかってる相手なら応援したいけど誰も知らないんでしょ?涼みたいな“ど”の付く素人、簡単に応援したら…どうなるか…」

実架子は語る。

「実架子ちゃん…ステキ!」

愛が感動する。

「そうか…。自分は一目惚れの達人なのにな!」

優一朗は笑いながら言う。

「私はいいの!…プロだから。」

実架子が胸を張る。

「見る目はあんまり…ですけどね?」

優一朗の言葉に机に顔を伏せる実架子。

「実架子ちゃん、ありがとね。」

そんな実架子に涼は笑顔で話しかける。