「遅かったね?」

約束の場所で愛が言う。

「いつもの事だよね〜」

実架子が少し嫌みっぽく言う。

「ごめん…」

涼は立ったまま謝る。

「いいから座って座って!」

優一朗は実架子の隣の席を指差し言う。

「で、今日は何してたの?」

席に着く涼に実架子が話しかける。

「うん、ここに来る前、手紙拾ったの。」

涼が答える。

「手紙?」

「うん、空から降ってきた。で、あたりを見渡したんだけど誰もいなくて…。その手紙の宛名がわたしの名前になってて怖くて怖くて!」

涼は鞄から手紙を取り出し実架子に渡す。

「ほんとだ。フルネームで涼宛てだ!」

実架子は受け取った手紙を見ながら声を上げる。

「ラブレター?」

優一朗が言う。

「中、見ていいの?」

実架子が涼にたずねる。

涼は黙って頷く。