「追いかけた方がいいんじゃねぇ?」

俊也が言う。

「あぁ…、そうだな。」

巧はそう言うと走って一階まで駆け下りる。

そして手紙の落下地点、さっきまで涼がいた場所まで急いだ。

あたりを見渡しても、涼らしき人はいない。

「どうだ〜?いたか?」

上からは俊也の声がする。

「いない。向こうの方も見てくる。」

巧はそう遠くまでは行っていないと思われる涼を探しにその場を離れた。