「さぁ、京ぴょん勇気を出して!」 気がつくと、職員室の前まで来ていた。 ドアの隙間から漏れる冷房が涼しい。 きっと、誰かいるのだろう。 「べ、別にゆ、勇気とかいらねぇし!!」 「あ、ちょっと動揺してるー」 ニヤリと口角が上がった正輝は、おもしろそうに京を見つめた。 「とりあえず、中に入ろうよ」 暑い暑いといいながら、亜子は手をパタパタを仰いでいた。 「・・・そうだな」 そう小さくつぶやき、京はガラリとドアを開けた。