静かな部屋に、うるさく鳴くセミの声が響いていた。






けれど、部屋の中だと、そんなにうるさくない。






どちらかと言うと、自分の体で感じた動悸がうるさい。






俺って、こんなに動悸早かったっけ?






・・・いや、これは、蒼井か。






「・・・泣いても、いいんだぞ?」





「・・・・・」





「誰かに、すがりつけよ。自分で解決しようとせずに。誰かに、・・・俺に頼ればいいじゃねぇか」





「・・・・・」





「・・・俺がいるから」





「・・・・・」





ただ静かに俯いていた蒼井は、俺の方を見た。