「あーー痛そう・・・。そのガーゼがら漏れる血が痛そう・・・」
「・・・お前なぁ、」
自分のことは放りっぱなしかい。
実凪はそっと、京の左頬ガーゼにふれた。
「・・・ごめんなさい」
「・・・はぁ」
京はため息をすると自分の左頬にある手をぎゅっと握った。
「お・・・おぇっ!?」
ビックリした実凪は、手を戻そうとするが、京が握っているため自由に動かせない。
「お前の方が、痛いに決まってるだろ。・・・ホント、自分のことよりも人のことが心配だなんてヤツ、珍しい」
「え・・・え・・・え!?」
みるみるうちに赤くなる蒼井の頬は、完全に湯気が出そうなほどだ。