彼の表情は曇っていて瞳の中は困っていた。



「悪いケド…。
君の事何も知らないから…。」

彼は優しいのだろう。


優しく誘いを振り払った。


だけど、そんな事には目もくれず


「これから知っていけば
イイじゃないですか!?」

告白はしつこくネバる。
彼女はキッパリ断るまで
止めない強情な性格。


彼は溜め息をこれでもかと言うほど一年分出した。


「…ゴメン!
俺、彼女居るから!!
さよならッ!」

と彼は逃げた…。


あとに残るのは…

失恋した少女と
多分彼が落とした生徒手帳。

それしか無くて後は寂しく
チャイムが鳴るだけだった。