「玉ねぎが目にしみるー!」


エマはポロポロ涙を流しながら慣れない手つきで包丁を動かした。


「どれ、アタシがやろうか?」


「いい!自分だけの力で作りたいから!いたっ!」


「あぁ〜、大変!絆創膏、絆創膏…。」


料理は一旦中断して、アタシはエマの指に絆創膏を巻いてあげた。


白くて長い指はスベスベしていて、滑らかで、アタシのささくれだらけの手とは大違い。


エマも同じ事を思ったのか、アタシのざらざらした指をそっと撫でてくれた。