「ねぇ、お弁当作りたいんだけど…。」


「はぁ?」


「だから、お弁当!作り方教えてよ!」


「お弁当って…。誰に?」

エマが料理をしたいと言い出すなんて奇跡だ。
きっと誰かにあげるに違いない。


「誰でもいいじゃん!」


「なら教えてあげない。勝手にしたら?」


いつも意地悪されている仕返しにアタシも意地悪を言う。


「マジムカつく!」


「お互い様よ!」


アタシは知らん顔しながらお米をといだり、家計簿とにらめっこしたりしていた。


しばらくエマはその辺りウロウロしていたけど、とうとう観念した。


「んもう!先輩だよ、先輩!野々村先輩にあげたいの!」


やっと白状したか。


ちょっと勝った気分!