夕飯の時間になると寿一がノソノソと部屋から出て来た。


「ご飯食べるの?」


「食べるけど?ダメなの?」


か、可愛くない〜!


さっきまで寝込んでたから心配してやったのに、全然元気そうだし、顔色もいいし。


寿一は何事も無かったかのようにご飯を食べると、すぐに席を立った。


「あれ?寿一おかわりは?」


「いらない…。」


ご飯お代わりは当たり前、他の兄弟の残り物まで狙うのに、今日は一杯でご馳走様。
寿一、やっぱりおかしい!


「ねぇ、やっぱりどこか痛いんじゃないの?」


「だから違うってば!」


「でも…。」


「もう!僕だって食欲無い日くらいあるよ!少しほっといてよ、お節介!」


寿一はまた部屋に閉じこもってしまった。


もう、一体何だって言うのよ?


みんなしてアタシに、ほっといてよ!って。


せっかく忘れてたのに、千草との事まで思い出しちゃったじゃん。