「おい待てって!」


アタシはとうとう優に捕まった。


当たり前か?
足の長さが違いすぎる。

汗と涙でボロボロになった顔を両手で隠す。


こんな状況にも関わらず、やっぱり好きな人には無様な姿を見せたくないというのが乙女心。


優はアタシの手を引くと、川の見える土手に腰を下ろした。


アタシも少し距離を開けて隣りに座る。


優は雑草をブチブチと抜いては放り投げた。