「初め俺は利香に嫌われてるんじゃないかとすら思ってた。」


「それは違うよ!」


即、反論。


アタシは確かに成宮が好きだった。


成宮君に告白された時は天にも登るような気持ちだった。


それは嘘じゃない。


「うん。わかってる。利香は家族思いで忙しいけど、きちんと俺の事、好きだから…。そう教えてくれたのは千草だった。」


「えっ…。」


千草はまだ顔を上げられず、うずくまったまま小刻みに震えていた。


千草のこんな弱った姿を見るのはいつぶりだろ?

アタシに対する罪悪感と、成宮君を好きで仕方ない気持ちに押しつぶされそうになっている。


アタシと千草を交互に見てから、成宮君はまた話し始めた。