「堂々とって…。堂々となんか言えるわけないじゃない!親友の彼氏を好きになりました、だなんて…。堂々と言えたら苦労しなかったわよ!」


千草はそう叫ぶと、うずくまってワンワン泣いた。


成宮君が泣いてる千草の肩に手を置き慰めながらアタシを見た。


「利香には悪いと思ってるよ。本当にごめん…。」


「ごめんだなんて…。」


謝られると余計惨めな気分になる。


「だけどさ、利香も悪いんだよ。俺と千草に接点を持たせたのは利香じゃん?」


「な、何よそれ?どうしてアタシが?!」


「お前、俺と付き合ってから何回一緒に遊んだりした?俺、何回お前にデート断られたと思ってんの?」


「そ、それは…。家庭の事情で…。アタシだって好きで断ってたわけじゃないよ!」


そう。
アタシだって普通に遊びたかった。


放課後、夕飯の時間を気にする事なくデートしたかったし、休日だって、朝から晩まで彼氏と過ごすのが夢だったよ。


だけど、現実はそうはいかなくて、アタシだって何度悩んだか…。


成宮君ならわかってくれてると思ってたのに。