「あのさ、エマ?」


「ん?」


「このお弁当、野々村先輩のために作ってるんだよね?」


「そうだけど…。なんで?」


「ううん。野々村先輩の事、そんなに好きなのに、どうして二股なんかするのかなぁ?って思って…。」


そう言うと、少し眉間にシワを寄せて不機嫌な顔になってしまった。


また怒らせたかな?


ふぅと長いため息んついてから、エマは言った。

「恋をしてるとね、すごくお金がかかるの。」


「お金?」


小さく頷いてから、エマはスエットのポケットから携帯電話を取り出した。