「あたしで良ければ話聞くし」


明奈は、あたしが思ってたよりも、ずっといい人で。


そんなあたしは、彼女の良いところを一つも見ようともしないで、ただ気に入らないから、くだらないからという理由で彼女を拒絶していた。


「やっぱり相談相手って、必要だよ」


明奈はそう言って笑った。


あたしは今まで何をしてきたんだろう。


あたしは……



世のなか全部を拒絶してたんだ。




周りを見ようともしないで。


あたしを支えてくれる人に、感謝もしないで。



「……ありがと……」



こんなに素直にお礼が言えたのって、いつぶりかなぁ……