その様子を黙って見ていた明奈が、思いついたように口を開く。
「あっ、ひょっとしてェ〜」
「はい?」
あたしが顔を上げて彼女を見ると、彼女は悪戯っ子のような笑みを浮かべてこちらを見ていた。
その表情は、何と無く吹き出しのなかに電球が見えそうなものだった。
そんな彼女は肘であたしを突きながら言った。
「そっかぁ〜優里は皋君にホの字なのね〜」
「はΣΣ!!??何言ってんのよッ!!つーか表現古いし!!今時言わないわよ、ホの字なんて…」
「ムキになんの〜?あっやしィ〜」
「だ……」
あたしは言葉が出なくて、何か言おうとしたけど、やっぱり口からは何も出なかった。
顔は熱いし、絶対間抜けな顔してるし、最悪。
……だけど。
“友達”と話してて、こうしてムキになったり、自分の感情をストレートに表現したりしたのは、凄く久しぶりだった。