初めこそ怪訝そうな顔をし、「学校はどうされたんですか」と聞かれたが、ちょうど昨日あたしを送ってくれたらしい看護師があたしを見つけて声を掛けてくれたので、うまく皐の病室に案内して貰えることになった。
「学校休んでまでお見舞いだなんて、優しいのねぇ。優里ちゃんは」
看護師がそんなことを言うものだから、あたしは何だか気恥ずかしくて俯いてしまう。
「どうしても……心配で学校なんて行く気にならなかったから…」
ただ、小さな声でそう答えると、看護師はクスクスと笑った。
昨日は動揺してて気付かなかったけど、こうして見るとなかなかの美人だ。
綺麗な歯並びに、色付きのリップが光っている。
看護師は言った。
「でも高校は単位制でしょ、あまりサボると落としちゃうわよ」
「なるようになりますよ」
あたしは適当に答えながら、頭ではひたすら皐の事を考えていた。