ドーナツを食べながら、皋はあたしの話を聞いてくれていた。
寝巻が汚れちゃったから、看護師さんを呼んで、替えてもらわないとな。
点滴の針が腕に刺さったままで、どうやらこれにチューブを差し込んで点滴するんだな、と思うとなんだか痛々しい。
そこで、あたしは皋が何の病気で入院してるのか、疑問に思った。
盲目だからって長期間入院するとは思えないし、点滴の針を腕に刺しっぱなしにするほど点滴を頻繁にするとも思えない。
「皋はさ、」
「ん?」
あたしは意を決して尋ねた。
「何で入院してるの?」
すると、皋はドーナツを食べる手を置いて、寂しげに目を伏せた。
「……んー………わかんない」
「……へ?」
あたしがぽかんと口を開けると、皋は無理に笑顔を作って、言った。
「原因不明の……病気」
「……え………」
あたしは言葉を失った。