「しないよ。みんながやってる中1人で見てるだけって…私は耐えられないよ。」

「そうか…」

「お母さんの為にやっていた剣道がいつの間にか自分の為の剣道になってた…でも、私が剣道を始めてなかったら…お母さんは死なずにすんだのに…」

「もう…その話は終わっただろ。」

「でも…」

「いいんだ…不慮の事故なんだ…」

「…」

「お前が"いい"って言うなら無理にとは言わないけど、リハビリも兼ねて剣道部へ入部して周りに指導したらどうだ?」

「指導…?」

「選手だけが全てじゃないだろ。」