私は、絋の背中に手を回してギュッとシャツを掴んだ。 絋の気持ちを聞くことが出来て嬉しい想いと、迫ってくる別れの時間への切ない想いが入り混じって胸が苦しかった。 もうすぐ出発の時間になる…。 絋とこうして抱きしめ合っている時間だって、あと少しだけ…。 時間が止まってくれたらいいのにな……。