終業式は、7月19日に、無事終わった。

 同時に通信簿と、期末試験の結果を返される。

 この結果が悪かったものは、夏休み中に補習授業という、夢のような状態が待っている。

 俺は例によって赤点際の魔術師ぶりを見せつけ、全科目ぎりぎりセーフ。

 ある意味、天才なんじゃないかと思う。

 ちなみに知とのハンデ400点の賭けは、またも俺の敗北に終わった。

 しかし、今回は賭けの対象を昼食一回分に減らしておいたので、ダメージは少ない。
 
 その知は例によって校内1位。見由は15位にまで順位を上げた。

 そのほかの面子は相変わらずランク外だったが、穂波は今回は補習をまぬがれたようだ。

 星空は苦手科目の数学のみ補習。

 達也は全科目補習という偉業を成し遂げた。

 ちなみに来夢さんは結構頭がよく、二年の中では上位に位置するらしい。当然補習はなし。

 そして、補習授業は一科目につき二日だから、達也は終業式の翌日から、二週間もの間学校に通い詰めという状態に相成った。

 達也は「なんで夏休みに学校なんか行かなきゃならないんだよ」などと文句を言っていたが、平均点12点という惨状で落第にならないのは、学校側の温情だと思う。
 
 かくして、達也はラグビー部に顔を出しつつ、俺とともに旅行プランの細部も決めつつ、補習にも出るという、芸能人顔負けの忙しい毎日を送ることになった。

 それでも、勉強に遊びに充実した毎日を送る達也の顔は、心なしか楽しそうだった。