一通り食べ終わったあとで、提案した。

「じゃあ、そろそろ行き先決めようぜ」

 みんな満腹後の動きたくない体を、向きだけこちらに向けなおす。

 俺は、前に達也との話し合いで絞っておいた三つのプランを、順番に説明した。

 その後、来夢さんが帰り、残った全員で話し合いになる。

 どれがいいかさんざん議論を戦わせた挙句、最後は多数決で決まる。

 結局、俺と達也の中間案になった。

 きつすぎず、それでいて山の雰囲気は楽しめるプラン。

 まあ落としどころに落ちたというところだろう。
 
 それから、出発日や持ち物などについて話し合う。
 その中身は、

「先生、お小遣いはいくらまでOKですか?」

「全財産すべてもってこい」

 という、達也と知のやり取りがあったり、

「荷物はすべて男の子が持つと考えていいんでしょうか?」

「星空の荷物以外はな」

 というような星空と俺とのやり取りがあったりと、九割がた雑談に費やされた。

 それでも、出発日は8月5日。日程は二泊三日。山の上のコテージを二つ借り、そこに泊まる。

 というように、骨格だけは決まった。あとの旅行会社への申し込みなどは、全員で行ってもしょうがないので、言い出しっぺの俺と達也で行うことになった。

 早い話が、押し付けられた。