その後、さらに話し合いが進められた。

 一人で七人分作るのは無理だということで、二人ずつ三組で入れ替わることになった。

 星空の先輩には、手が空いたときのサポートという形で入ってもらう。

 組は毎週入れ替わることにしたが、最初は俺と星空、達也と穂波、見由と知という形で組むことになった。

 なんとなく、知と星空を組ませるのが危険だと全員が察知した結果だ。

 ちなみに男女ペアなのは、俺をはじめとする男性陣の利害が一致したためだ。
 
 ジャンケンで順番を決めた結果、一番手は見由&知の組に決まった。

 彼らが見由の部屋で料理を作っている間、俺たちは隣の部屋、つまり俺の部屋で談笑している。

 星空の先輩も、やってきていた。

「はじめまして。田上来夢(たがみらいむ)です。よろしくお願いしますね」

 物腰柔らかな人だった。

 星空と同じく背は高いが、星空ほどほっそりはしておらず、かといって太っているわけでもない。

 女性らしく丸みを帯びた体形とでも言ったらいいだろうか。

 穂波に輪をかけたタレ目で、落ち着いた感じがする。

「よろしくお願いします。星空をビシバシ指導してやってください」

「余計なことは言わなくていいの」

 星空が、後ろから俺の首を絞める。

 来夢さんはそれを見て微笑んだ。

「あなたが祐介君ね。星空から話は聞いてるわ。楽しい人だって」

 ゆっくりとした口調で、来夢さんは話す。

「ら、来夢さんっ!」

 星空は頬を赤くして叫んだ。

 来夢さんはそれを見て、またくすくすと笑う。

 星空はいつもこんな感じで彼女にからかわれているようだ。