残るは一人。ラスボスのみだ。

「というわけで、残るはおまえ一人だ。さっさと同意しろ」

 星空に向けて、命令をする俺。

「祐介も、もう少しお願い事とかのスキルを磨いたほうがいいと思うよ」

 あきれたような顔で、星空が言った。

「ていうか、料理が作れないと素直に言え」

 言ったとたん、星空の投げたクッションが俺の顔面に命中した。

「私だって、料理はちゃんと作れるよ」

「『料理を作れる』と、『食べられる料理を作れる』は違うんだぞ」
 
 またクッションが飛んできて、俺の頬の辺りをかすめていった。

「まあ、みんな賛成なら、私もいいけどさ。ついでに、先輩も仲間に入れていい? バスケ部の先輩なんだけど、私の二つ隣の部屋に住んでるんだ」

「その人に料理を教えてもらおうとしてるな」

 俺が言うと、今度は座布団が飛んできた。それも二枚。