俺たち六人は、輪になって座った。

「で、祐介の窮状を救うために、自炊当番制を提案する」
 と、達也が言った。

「いや、それは……まあそうなんだけどさ」

 理由が微妙にゆがめられてるような気もするが、その辺は気にしないことにしよう。

 今はプライドより食事だ。

「六人いるから、持ち回り制でいけば、一週間に一度各自が自炊して、それをみんなに配ればいい。食材にかかった費用はワリカン。それでどうだ?」

「面白いね。やろうよ」と、最初に言ったのは穂波。

「私も、賛成です。一人分作るのもたくさん作るのも、手間は同じですから」と見由。

 渋ったのは、星空と知だった。

「俺、自炊したことないからなあ」と、知が一人暮らしにあるまじき発言をする。

「出たよ、金持ち発言」
 即座に俺が言う。皮肉満載である。

「私も、あまり自炊したことないんだけど」

 星空も同じような発言をした。しかし、俺の反応は違う。

「貧乏人のくせに」

 俺が言うと、星空は思い切りこちらを睨んできた。とりあえず視線をそらす。

 そんな俺に、知が言ってくる。

「いや、だって、めんどくさくないか?そんな手の込んだ料理も作れないしさ」

「めんどくさいが、金にはかえられん」
 俺は断言した。

「別に手が込んでなくてもいいだろ。最初はそばとかから始めればいいと思うぞ。各自料理の腕に差があったほうが面白いしな」

 と、珍しくまともな発言をしたのは達也。

「まあ、まずいものでもいいっていうなら」
 知も、結局は同意した。