「俺は圧倒的に一位だったけど?」

 満面の笑みを浮かべながら言う知。

 普通なら完全に嫌味なセリフも、ここまで堂々といわれてしまうと、かえって嫌味に聞こえない。

 しかし、黙認するのも、俺のプライドが許さない。

「ま、人間何か一つくらいとりえがあるもんさ」

 そう言って、俺は肩をすくめてみせた。とりえだらけのこの男に。

 どうでもいいが、一つ気づいたことがあった。

 俺たちのテストを点数の高い順に並べていくと、知786点。見由654点。俺377点。星空約330点。穂波300点強。達也97点。
 
 これが何を意味するかというと、下3人の点数を合わせても、知一人の点数に及ばないということである。

 下4人を合わせるとかろうじて知を抜くことができるが、上2人を合わせた点数に400点以上及ばない。
 
 二強他弱な、我ら六人であった。