それからまた一週間がたち、六月になった。

 もっとも嫌な月だ。六月は、一日も祝日がない。

 週休二日制も存在しない我が高校にあっては、昼まで寝ていられる日が、月に4日しかないということだ。

 こんな拷問があるだろうか。

 そして、順番に、中間テストの結果が返ってくる。
 うちの学校では、いまだにテストの成績上位者が、掲示板に貼り出されたりする。

 俺としては実名公表によるプライバシーの侵害で訴えたいのだが、残念ながら張り出されるのは上位50名のみだった。

 従って、成績上位者は、自分のすべての答案が帰ってくるより早く、自分の成績がわかる。

 知は、相変わらず1位だった。総合得点は786点。

 2位が722点だったから、圧倒的な首位といえよう。

 もっとも、2位の点数でさえ、平均すると90点強だから、例年なら充分1位になれる数字なのである。

 知は、いつも2位の者に恨まれていることだろう。気の毒なことだ。
 
 ちなみに、俺たち6人の中では、見由が654点で、28位に入った。

 他の4人は仲良くランク外だった。

 やがて、中間テストの結果が出揃う。

 俺の点数は、377点。残念ながら50位には入れなかったが、俺の中では、51位の予定だ。

――ちなみに50位の点数は562点だった――。

 ハンデの400点を足しても、知の点数にわずか9点及ばなかった。

 平均点が48点にもかかわらず、一つも赤点である40点以下を取っていないのだから、これはこれで立派だとも思うが、負けは負けだった。