それから四時間あまり、俺たちはそんなくだらない話をし続けた。

 時計の針が二時を回ったころ、そろそろ寝ようか、という話になって、場はお開きとなった。

 全員で片付けをし、部屋の隅にごみをまとめる。

 それが終わると、四人は玄関に集まった。

「今日はとっても楽しかった。呼んでくれてありがと」

 穂波が俺たちに礼を言う。

「ああ、俺も楽しかったよ。な、見由?」

 そう言って見由を見ると、笑顔で答えてくれた。

「はい、とっても楽しかったです。またやりましょう」

「そうだな、またやろうぜ」
 達也が言った。

 それぞれが、それぞれの部屋へと戻ってゆく。

 それを見送ってから、俺は深い眠りについた。

 次の日、目を覚ました俺たちは、確認の意味も込めて、もう一度俺の部屋に集まった。

 もう昼過ぎだが、知の顔はまだ青い。

「うう、頭が痛い」

 知は頭を抱えていた。

 途中からビールだけでなく、ウイスキーなんかも勝手に飲んでたから、自業自得といえよう。

「星空はもう大丈夫か?」

「うん、バッチリ。昨日はどうもご迷惑おかけしました」

 星空はそう言って、素直に頭を下げる。顔色も普通だ。

 星空が再び顔を上げたとき、俺の隣にいた穂波と目が合った。

「えっと……この人は?」

「205の住人で、品川穂波。俺の中学の同級生」

「あっ、そうなんだ。私、古賀星空。星空って呼んでね」

 星空はそう言って笑いかける。

「あなたが星空さんね。お話は昨日いろいろと聞かせてもらったよ」

「聞いたって、どんな風に?」

 星空が聞くと、穂波はちょっと戸惑う。

「えっと……その、とても元気な人だって」

「違うだろ、穂波」俺は注意した。「元気印のバカって、ちゃんと紹介したじゃないか」

 言い終わるのとほぼ同時に、俺に星空の放ったボディーブローが飛んでくる。

 それは見事にみぞおちに命中した。

「おぶっ」

 くすくす笑う穂波。