「といっても、テストは宿題から出されるので、きちんと宿題をやってきた者は、何も恐れる必要はない。普通に受ければよろしい。やってこなかった者は、今日一日必死に勉強するように」

 適当に宿題をやってきた者はどうなのだろう、と思ったが、いきなりそんなことを質問してターゲットにされるのも嫌なので、黙っていることにした。

 やがて、ホームルームの時間が終わりに近づく。

「じゃあ、今日のところは以上で終了する。時間のある者は、クラブ見学していくのもよいだろう。なお、我が校は、全員どこかの部に所属しなければならないことになっている。帰宅部というのは認められないので、注意すること」

 先生は、また最後に大きな爆弾を残していった。

 さっさと帰宅して眠りにつくのを最上の楽しみにしている俺にとって、部活など何の楽しみがあるだろう。

 そんなことを考えていると、後ろから俺を指でつつく者がいる。

 さっきの、やる気のない自己紹介をした、岩田知だった。

「よお、君、部活決めた?」
 彼はそう聞いてくる。

「いや。帰宅部のつもりだったが、そうはいかんらしい。君は?」

「俺も同じだ。どこか楽そうなクラブ探そうぜ」

「よし。じゃあ、まず部活候補を探そう。順番に見ていくのは無駄だ。まず、お互い嫌だと思ったクラブを削っていこう」

 俺はさっき先生からもらったプリントを取り出した。

 それには現在存在しているクラブと、部員数が書いてある。男子が所属できるクラブ数は、運動系・文科系、合わせて18。

 順に挙げると、まず運動系が、野球部・サッカー部・バスケ部・バレー部・テニス部・ラグビー部・陸上部・水泳部・剣道部の、全部で9つ。

 文科系が、料理部・応援部・文芸部・園芸部・科学研究部・パソコン部・書道部・吹奏楽部・美術部の、9つ。