そして次の日、朝礼で知は表彰された。

 それを見つめるみんなの目には、賞賛と羨望、それに嫉妬が入り混じっていた。

 中には、「いいよなあ、天才は」というような声も聞こえた。
 
 だが俺は、逆にその声に反感を覚えていた。

 俺はここ数ヶ月、知がちゃんと絵を描いていたことを知っている。

 たとえそれが、他校の美術部員からすればとるにたらない努力であったとしても、何もしなかった者から批判を受けるいわれはない、と思った。