星空にかけるのだろう。

 こういうとき、こいつの行動力は賞賛に値する。
 
 受話器の番号を押し、プッシュ音が鳴り響く。

 やがて、相手が電話に出た。達也が話し始める。

「あ、もしもし見由ちゃん? 俺、達也」

 げっ、と俺は心の中で叫んだ。

「祐介がさ、来週の日曜日、サッカーの試合を見に行かないかって言うんだけど、見由ちゃんも来ないか?」

 しまった。見由の存在を、すっかり忘れていた。

 見由と穂波と四人で出かけて、どうしようというんだ。

 星空にけんかを売るようなものではないか。

 事前にわかっておけば根回しもできたのに。
 
 後悔する俺に、達也は電話を切ったあと、告げた。

「見由ちゃん、その日は都合がつかないってさ。別の奴でもいいか?」

 おお! と、俺は心の中で叫んでいた。

 でかした、見由。

「ああ、いいよ。星空でいいんじゃないか?」

 なるべく心の中の動揺を悟られないように、俺は言った。

「そうだな」と達也が言い、また電話をする。

 今度の相手は間違いなく星空。

 返事は、もちろんOKだった。