「リ…」





悠平がリオを呼ぼうとすると千紗がグイッと引っ張ってきた。






「じゃあ、諦めるからぁ…リオの前でキスしてぇ?」







その言葉に悠平は眉をピクッと動かせた。






「…何で、リオの前でなわけ?」










いつもと違う悠平の表情に、千紗は目を泳がせて









「…もぉいいもんっ」





プンッ、と頬を膨らませズンズンと千紗が空港を後にした。








「はぁー…」








悠平が深いため息をついた。