「とりあえずお疲れー」 午前中の撮影が終わり、リオが悠平と繋いでいた手を離そうとする。 「…離して?」 「せっかくだから、もうちょっといいじゃん」 悠平は悪戯っぽく笑った。 リオは少し顔を赤らめて、プイッとソッポを向いた。 すると、リオの目に入ったのは千紗の姿だった。 リオと悠平の手が繋がっている事を確認すると、悔しそうにこっちを見てきた。 私は意識しないうちに、悠平の手を強く握っていた。