― ホテル ロビーにて ― 「木山さん、お待たせしました!」 妃が人なつっこい笑顔で木山に話しかける。 「あ、ちょっと待っててくれないかしら?もうすぐ悠平君達がホテルにつくらしいの」 木山はそう言うと黒い紙を手でサラッと流した。 …悠平、もう来るんだ。 そう思うと、小さくため息をついた。 それを隣で見ていた妃は困ったように肩をすくめた。