カシャッ―…
「はい、お疲れ様!」
フラッシュとカメラマンの声が響いても、リオの笑顔は崩れなかった。
控え室に戻る途中、すこし先に編集長の後姿があった。
「あ…編集長、お疲れ様です!」
「おつかれ。今日はご機嫌だね」
編集長は加えた煙草を手に持ち、口から煙を吐き出した。
「まぁ色々とありまして…あ。もうこんな時間、遅刻しちゃうっ!編集長、お先に失礼しますっ」
リオは控え室に戻ると、すぐに着替えて一目散に外に飛び出していった。
「んー、成程。悠平とデートか」
編集長はそう言って微笑むと、煙草をくわえて編集部に向かった。