ミーンミーン―… スタジオに向かう途中、今年初めて聞く蝉の鳴き声に暑さを感じながら歩く。 空を見上げたら入道雲が大きく広がっていた。 「暑いー…」 スタジオまで残り30mくらいで、人影を見つけた。 何してんだろ?あんな所に突っ立って… 「…あっ」 近づけば近づくほどよく分かった。 「悠平…」 リオがそう呟くと、悠平は久しぶりの笑顔を彼女に向けた。