「あ、今日の撮影なんだけど」




車が赤信号で丁度止まった時に、木山が手帳を開いて言った。





「悠平クンと、リオは2人で“恋人達のデート”っていう設定で撮影するらしいわ」




「…恋人?」




めんどくさそうにリオが聞き返す。






「たまにあるじゃない。まぁ、ただの撮影だから良いでしょ?」





「何、お前照れてんの?」




悠平がクスッ、と意地悪そうに笑う。





「て…照れてないし!!!」





リオが負けじと大反撃。







信号が青になったところで、木山がアクセルを踏んだ。